古書販売目録コレクション
日本における古書売買の歴史は古く、平安時代から始まり、それが職業として成立したのは江戸末期といわれます。そして明治になると店舗販売に加えて目録販売(通信販売)も積極的に行われるようになり、商品紹介カタログとして多くの古書販売目録が発行されてきました。
古書販売目録は一時的な利用を目的とした販売カタログであるため、長期間保存されることは滅多にありません。しかし、過去の古書販売目録からは、その時点で存在していた古書の概要や値段の変遷などを知ることができ、またその時々の書物の流通の手がかりを得ることができます。一点一点の稀少性というよりは、コレクションとして集まることにより、出版文化史を研究する上で重要な意味を持ってくる資料です。
千代田図書館の古書販売目録コレクションは、明治から昭和にかけて発行された目録類を中心とした約9,350点の資料群です。反町茂雄氏(そりまち・しげお、「弘文荘」店主)、東京都古書籍商業協同組合、中野三敏氏(なかの・みつとし、九州大学名誉教授)の寄贈資料から成るこれらの目録類は、大学図書館、公立図書館を問わず、図書館が所蔵するには全国的にも珍しいタイプのコレクションです。
古書業界の歴史を伝える資料であり、出版社・古書店等が集積し、出版業・古書販売業を地域産業に持つ千代田区にふさわしい地域資料と言えます。
平成8年度に、反町雄一氏(茂雄氏の長男)および東京都古書籍商業協同組合から約6,880点を寄贈いただき、平成11年度より公開、平成18年度よりデータベース化されており、図書館のホームページから検索できます。また、平成18年度に、中野三敏氏から約2,470点を寄贈いただき、22年度より公開、データベースでの検索ができるようになりました。
関連展示および講演会
関連発行物
千代田Web図書館で、下記の古書販売目録をどなたでも閲覧できます。
タイトル | 発行者 | 発行年 | 請求記号 |
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探奇資料絶版古書新収品発表速報 | 赤門倶楽部・木内誠(木内書店) | 1932年4月 | 書店別1-36-1166 |
女に関する文献販売目録 | 荒木伊兵衛書店 | 1932年7月 | 書店別1-199-7074 |
木内書店古書目録 | 木内書店 | 1953年10月 | 書店別1-36-1179 |
古書籍大即売フェーアー出品目録 | 文車の会 | 1962年5月 | 即売会-13-6005 |
千代田図書館で、JapanKnowledge Libのコンテンツ「Web版 弘文荘待賈古書目」を利用することができます。
「Web版 弘文荘待賈古書目」とは
弘文荘の店主である反町茂雄氏が、昭和8年から59年までに発行した『弘文荘待賈古書目』(全50点)をはじめとする古書販売目録77冊を収録しており、 古書の書名や著者名などから検索できます。
収録されている古書販売目録すべてを、千代田図書館で所蔵しているわけではありません。