谷崎潤一郎は、大正9年に映画会社の脚本部顧問となり、『アマチュア倶楽部』『葛飾砂子』など4本の映画作品を世に送り出しました。すでに文壇で華々しく活躍していた30代の谷崎は、なぜ映画に惹かれ、どのように映画製作に関わったのでしょうか。またその後、映画への興味をふっつりと失ってしまったのは、なぜなのでしょう?
谷崎と映画の関係について解説し、大正期の映画界の様子を伝える『ジゴマ※』関連書籍など、大妻女子大学所蔵の貴重資料や千代田図書館の所蔵資料を展示します。大妻女子大学の貴重資料は劣化を防ぐため、11月17日~26日を除いて複製の展示です。
※フランスの怪盗小説シリーズ。映画化され日本でも大ブームとなった。
会期 | 2012年10月29日(月)~12月22日(土) |
展示会場 | 千代田図書館9階 ミニ展示コーナー |
主催 | 大妻女子大学 国文学会 |
<展示関連イベント>
谷崎と映画の奇妙なかかわりー『春琴抄』を中心にしてー
谷崎が製作に関わった4本の映画フィルムは、いずれも現存していません。それらはどのような作品だったのでしょうか。若き日の谷崎に影響を与えた海外の映画や、同時期に製作された日本映画などから推察するほかはありません。しかし、一層興味深いのは、谷崎自身が映画への興味を一切失ってしまってから書かれた一連の小説こそ、実は映画を非常に強く意識していることです。では、いったいどのように興味深いのでしょう?
当日は、大正から昭和にかけて撮られたさまざまな映画をダイジェストで上映しながら、谷崎と映画の奇妙なかかわりをたどります。
日時 | 2012年11月21日(水)18:30~20:00(18:00開場) |
会場 | 千代田区役所1階 千代田区民ホール |
講師 | 城殿智行氏(きどの・ともゆき、大妻女子大学短期大学部国文科准教授) |
定員 | 50席(参加無料、事前申し込み不要、当日先着順) |
主催 | 大妻女子大学 国文学会 |
原文対訳トーキー英語 全十編(大妻女子大学草稿テキスト研究所蔵)
第2編「フーマンチュー博士の秘密」(大妻女子大学草稿テキスト研究所蔵)
『探偵小説ジゴマ』(大妻女子大学総合情報センター図書館蔵)
神出鬼没ジゴマ(『活動写真のジゴマ』より、大妻女子大学総合情報センター図書館蔵)