作家と古本屋
千代田図書館内の一角に設けられた、神田古書店連盟との連携展示・出張古書店コーナー「としょかんのこしょてん VOL.44」のご案内です。
1月31日(月)まで「作家と古本屋」と題し、文学・作家研究書・歴史文献などを扱う三茶書房より、23点の書籍、軸、色紙などを展示・販売(仲介)いたします。
今回は、三茶書房と著名な作家たちとの交流や、作家の遺した原稿や書物類を遺族からの依頼で整理する際のエピソードなどを解説しながら、その関連書籍などをご覧いただきます。その解説と書籍類から、著名な作家の人柄なども垣間見ることができる貴重な機会となることでしょう。
「本の街」神田神保町 オフィシャルサイトBOOK TOWN じんぼうでも紹介されています。
としょかんのこしょてん VOL .44
■□ 作家と古本屋 □■
期間 | 1月4日(火)~1月31日(月) |
場所 | 千代田図書館9階 出張古書店コーナー |
担当 | 三茶書房 |
お問い合わせ | 千代田図書館 03-5211-4289・4290 |
ときどき古本屋は無愛想だと言われることがある。でも、それはふらりと立ち寄った客が何も買わず手ぶらで店を出るのに、気まずい思いをさせないためなんだと、そんな風に父は語っていた。普通の商売ならば客が来ればいらっしゃいませと挨拶するのは礼儀だが、これはこれで古本屋なりの心遣いというものだろう。
私の岳父である三茶書房の創業者・岩森亀一は一見無愛想だが、朴訥で真面目な人柄のせいか多くの作家たちに愛されてきた。三好達治、佐藤愛子、中野重治、尾崎一雄、尾崎士郎、上林暁、井伏鱒二......。今回の展示では生前の父と作家たちとの交流を思い出の品、本や原稿などを通じて偲んでみたい。
また父には遠く及ばないものの、店を継いだ私も江戸川乱歩や横溝正史、三島由紀夫らが残した蔵書類を散逸させないために、各大学や図書館、記念館に納める手助けをしてきた。最後に一部、そんな記念の品も展示している。
ちなみに三茶書房の名前は、もともと父が世田谷の三軒茶屋で店を開いたことに由来する。昭和39年、東京オリンピックの道路拡張工事のために強制立退となり、現在の神田神保町へ移転するのだが、店名はそのまま今に至っている。 (三茶書房 幡野武夫)
【出品リスト】
<三好家の暖簾>
三好達治旧蔵 『暖簾』 | 非売品 |
<佐藤愛子の「私の履歴書」>
佐藤愛子著 『淑女失格』 | 日本経済新聞社 三茶書房宛献呈署名入 |
非売品 |
日本経済新聞『私の履歴書』14回目 平成2年5月15日 | 非売品 | |
雑誌 『文芸首都』 | 非売品 |
<中野重治「三軒茶屋・三宿の頃」>
中野重治原稿 『三軒茶屋・三宿の頃』 | 三茶書房25周年記念目録に寄稿400字詰 原稿用紙 3枚 | 非売品 |
中野重治著 三茶書房岩森亀一宛献呈署名本 12冊 | 非売品 |
<尾崎一雄「神保町の休息所」>
尾崎一雄原稿 『神保町の休憩所』 | 三茶書房30周年記念目録に寄稿 200字詰 原稿用紙 9枚 |
非売品 |
尾崎一雄著 『蜜蜂が降る』 | 岩森亀一宛毛筆献呈署名入 | 非売品 |
尾崎一雄旧蔵 『或る朝』 | 志賀直哉著 尾崎蔵書印 | 非売品 |
尾崎一雄旧蔵 『雨蛙』 | 志賀直哉著 毛筆署名入・尾崎蔵書印 |
非売品 |
尾崎一雄旧蔵 『荒絹』 | 志賀直哉著 | 非売品 |
尾崎一雄旧蔵 『留女』 | 志賀直哉著 毛筆署名入・尾崎蔵書印 |
非売品 |
尾崎一雄旧蔵 『網走まで』 | 志賀直哉著 毛筆署名入・尾崎蔵書印 |
非売品 |
<井伏鱒二の手紙>
井伏鱒二手紙 | 封筒付 岩森亀一宛(コピー) | 非売品 |
夜ふけと梅の花 | 井伏鱒二著 新潮社 昭和5年4月3日 |
40,000円 |
仕事部屋 | 井伏鱒二著 春陽堂 昭和6年8月5日 |
50,000円 |
川 | 井伏鱒二著 江川書房 昭和7年10月20日 毛筆署名入 第136部 |
120,000円 |
田園記 | 井伏鱒二著 作品社 昭和9年5月15日 |
60,000円 |
山川草本 | 井伏鱒二著 雄風館書房 昭和12年9月27日 |
80,000円 |
<芥川龍之介の未定稿>
芥川龍之介旧蔵・原稿・資料 室生犀星原稿「碓氷山上之月」 |
一部に芥川の手直し跡があり | 非売品 |
<幻影城の内側>
江戸川乱歩邸 土蔵・書斎応接間記録写真 | 非売品 |
<桜三吟-横溝・乱歩の連句>
桜三吟 | 江戸川乱歩、横溝正史、西田政治以上三名による連句の巻物、 軸装、昭和22年11月15日夜 |
3,800,000円 |
江戸川乱歩色紙 | 「うつし世はゆめよるの夢こそまこと 乱歩」 | 200,000円 |
※出品内容は予告なく変更になる場合があります。
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